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シャネルを着た悪魔
第13章 ☆CHANEL NO13☆
本当に疑問に思っているんだろう。意地の悪さも何もない顔で、そう聞かれた。
「テヒョンに愛されているから、です」
「──と云うと?」
「私、オンマの話聞いてて思いました。彼は一切、貴方の事を悪く言わなかった。むしろ『大人になった今なら分かる』と理解を示していました。」
「貴方の事を──愛している様な口ぶりで彼は自分の過去を話してくれました」
グラスを持っていた皺の多い手が、自身の膝の上で拳を作っている。
「だから、です。」
「そりゃ私が思うに彼は『幸せだったね』と周りから言われる様な生活はしていなかった」
「それは金銭面じゃなくて愛情面とかそういった所で。」
「でも、それでも彼は貴方を愛しているし、父親として見ている」
「自分の愛した男の、愛してる家族が死ぬかもしれないんですよ。私が止めたいのは当たり前なんです」
「確かに笑われるかもしれない、って怖かった。もっと言うなら、取り合ってすらくれないかもしれない。って思ってました」
「だけど此処にこれたのは──」
「心のドコかで彼が貴方を愛している同様、会長もテヒョンの事を愛してる。と確信付けれる部分があったからです」
「ねえ、会長──。本当はイさんが持ち掛けてた帝国の跡取りの話も、貴方の意思でしょ?」
「………君は、そこまで分かるのか」
「分かりますよ。だって家族ですもん。」
「誰が、だ?」
「私とテヒョン。そして──テヒョンと貴方。」