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シャネルを着た悪魔
第14章 ☆CHANEL NO14☆
あの日、一緒に『カフェ』に行ったティー。あれからテヒョンの仕事に着いて行ったりした時に数回会ってた。本当に可愛い子だ。
でも──私にも色々な事が有り、一か月間彼女と連絡も取れず音沙汰無し状態。久しぶりに会う、テヒョン同様決して明るくは無い過去を持つ彼女は又も綺麗になっていた。
「どうしてここに?」
「オンニこそ!!」
「……あの〜…私は…今日だけね。今日だけ、会長の通訳として舞台に一緒に立つ事になったの」
「ええ?!何それ?!」
「凄いね、テヒョンオッパだけじゃなく帝国の会長共知り合いなんて──あ、それかテヒョンオッパの親戚だから帝国の会長と知り合えたの?!」
悪気も無い疑問を口に出しながら、柔らかい胸を当てて必死に抱きしめてくる彼女はきっとこの一か月間のテヒョンの事を一番よく見ているに違いない。
「で、ティーは何故?」
「私もね、事務所に仕事依頼が来たの。蓋を開けたらびっくり、会長の奥さんのメイクを頼まれたって感じかな。会長にもファンデーションだけは付けさせてもらったけど」
「凄いね、大出世じゃん」
「まあそうとも取れるよね。テヒョンオッパには秘密にしてるけどね」
「何で?」
「……それが条件だったから。この四日の間はBNからのメイクさん使ってると思う。」
ああ、と事情が繋がると同時に会長の優しさを感じた。
きっと──テヒョンが可愛がっているティーに、これでもかと云う位の体験をさせてあげたかったんだろう。
「さ、オンニもあんな大舞台に立つなら私が──綺麗にしないとね。この前のカフェ以上に」
大きいメイク道具入れを雑に運びながら、白い歯を出して笑う。
「そうね、よろしく」