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シャネルを着た悪魔
第14章 ☆CHANEL NO14☆


──初めて立ったスクエアガーデンはかなりの広さだった。

圧倒されて思わず呆然と立ち尽くす私を『何故、この人?本当に通訳なの?』という疑心たっぷりの瞳で裏で見つめてきた筈の夫人はカメラを前にすると、とても綺麗な笑みを浮かべる。


日本人として初めてこの舞台で歌を歌った人物の言葉を借りると──これってパズルに似てる。

巨大な枠に埋まる巨大な数。その完成を決めるのは真ん中に立つ人物──パズルに例えるなら最も大事な中心のピース、だ。

そのピースは……きっと私の少し横に立つこの夫妻だろう。


周りは埋まった。

沢山の記者に、沢山の帝国関係者──。


この絵を完成させるのは──、テヒョンの親なんだ。


私達を応援している、と確かに言った……

意地っぱりが故に子供に対してまともな愛情を注いであげる事が出来ず、今になってそれを本心から悔やんでいる……イム・テミンさん。


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