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シャネルを着た悪魔
第14章 ☆CHANEL NO14☆
ああ、あの時……
質屋さんの有る閑静な住宅街で私が『通り魔』に襲われた時……
そう、この女性の声に振り向いて──
そして、刺された。
「あ……危ない!」
響く私の声とは対照に静まり返る会場。
「……っ!」
気付かれた事が悔しかったのだろう。
まるで私のクセと同じくして、唇を噛むとクリスチャン・ルブタンのクラッチバックから銃を取りだした。
「会長っ──!」
ダメだっ!
この人を──
私の愛したスターを裏切った男とは違い、彼のマリリンモンローであった愛子さんを決して裏切ってはない会長に──
ここでジョン・F・ケネディみたいな結末を歩ませるのは余りにも悲しすぎる。
咄嗟に起こした行動は、彼を庇う為のものだった。