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シャネルを着た悪魔
第15章 ☆CHANEL NO15☆
「余ったのがパインなんだからしょうがない。でもお店の方が一番人気だと言ってただろう。」

「会長が買ってくれたんですか?」


「ああ。丁度、バタバタしてる時に連絡が来てな。二人で向かってた時に並んでるケーキ屋さんが有ったから」

「イさんと二人で並んで……?」


「ああ。周りの女性は僕よりも背が高かったよ。」

悔しそうに言う会長に、思わず笑ってしまう。

テヒョンもバレない様にしてたけど、思いきり口角が上がってた。


「リサさん──」

「あの夢の事、信じてあげれなくて申し訳なかった。僕を庇ってこうなった事にも申し訳ないと思ってる──」



「良いんですよ。私が助けたかったから。」

「……じゃないと貴方がテヒョンと仲直りする前に死んじゃったら、私も毎日食べるご飯が不味くなっちゃう」


なに食わぬ顔で爆弾を投げた私に笑いかけたのはイさんだけだ。

二人は、気まずそうな顔をしてる。


でも紳士も背が縮んだということは、それだけ心は大人になったということだ。

各自のお皿にケーキが振り分けられ、温かい紅茶がその横に置かれた時に沈黙を破ったのはテミン会長だった。


「お前は──リサさんに謝ったのか。無理に側から離れさせたことを」

「……ああ。」


「じゃあ、ちゃんと自分の気持ちも伝えたのか?」


「……ああ、って何で俺が親父にこんな事言わねえといけないんだよ!」

顔を赤くしながら必死にそう言ったテヒョン。

彼の『親父』という言葉に満足そうにしている会長は、裏腹に大きな笑顔を浮かべている。


そうだな、例えるなら思春期の男の子を持つ家族。みたいな感じなのかもしれない。この四人の独特の雰囲気は。

私が反抗期の一切無い女の子だとしたら、テヒョンは反抗期中の息子だ。

イさんは見守る母親で、会長は──面白おかしくそんな息子を手玉に取る父親、だろう。


何だかテヒョンの表情も少しだけ明るくなっている。

あのボイスレコーダーで彼の本音を聞いて……ちょっとだけ、確執というものが無くなりかけているのかもしれない。

勿論、まだまだ問題は有るだろう。


でも──大きな一歩を踏み出せていることは確実だ。

その証拠が、こうやって四人でケーキを食べているこの絵に現れている。


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