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シャネルを着た悪魔
第2章 ☆CHANEL NO2☆

少しだけ考えてみた。

確かにコイツの言ってる事も理にかなってる。


「だけど──それでもさすがに13万円が宙ぶらりんになるのは気が引けるわ。」


「だから、それならそのスターサファイアに合うなにかを買ったら良いだろう」


「オッパ?」

──……コイツも使っていたけど、それ以前にピョンにラインで教えてもらった言葉。

オッパというのはお兄ちゃんという意味らしい、どうやら男性はこのオッパという言葉にキュンっとするみたいだ。

韓国男性は基本的に可愛らしい甘い女の子が好きなのだろうか?


「何だよ」

「スターサファイアに合うバッグって言ったら、そうねエルメスの『ケリーバッグ』かカルティエの『パンテール・ドゥ・カルティエ・チェーンメール・バッグ』位なのよ。」

「そして──合う靴は今ならルブタンか……いや、違う。少し上品にフェラガモのブラックゴールドのパンプスかしら。」


私があれこれと言う言葉を彼は理解していない……いや急過ぎて理解出来ないのだろう。


ポカーンとバカみたいな顔をして私の顔を見つめていた。


「つまり?」


「13万円で足りる訳がないってことよ。」

「イコール……このお金貰っても使い道がない。自分のお金を足してまで自分自身に『ブランド品の装備物つけて』投資しようとは思わないし」


これは本心だった。

宝石もブランドも大好きだけど、自分のお金で買うものは『質の良いノーブランド』や『ハイブランド品で有っても本当に惹かれたもの』くらいだと思う。


腕につけている、ハリーウィンストンの時計。

これも前の男から貰ったから付けているだけで、自分で大金はたいて買おうと思うセンスではなかった。



「────……」


「だから、今ここで返すわ。13万円」


財布から紙幣を二枚多くだして、日本円で15万。

今の時代だと高校卒業生の就職してからの初任給程度なのかな。



「あ!あと」

お金を彼の膝の上に置いて、ドアに手をかけたとき私が振り向いて彼に顔を見せる。


まだ彼の口はあいていた。

とんだアホ面。これ写真にとってツイッターに載せてやりたい、相当なリツイートがくるだろう。



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