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シャネルを着た悪魔
第2章 ☆CHANEL NO2☆
「勘違いだったら申しワケないんだけど」
「私もねもう大人なのよ。この指輪をくれる様なレベルの人に惚れられた事もあるし惚れた事もある」
「──だからこそ言うけど。私韓国人と寝る気も、付き合う気も、遊ぶ気もないから」
「あんたがどれだけ日本で有名なのかは知らないけれど……日本のデパートだあ!何てはしゃいでる後輩を止めることもせずに黙って見てた訳でしょ?」
「それって、『戦争はダメだ』なんて言いながら、日本の為に血を流すつもりでいる米兵たちには何の気持ちも表さない現在の日本の左翼たちの考えと同じなのよ。」
「手を出してないんだから戦争はしていない。流れてるお金?そんなのお金なんだからそれとこれとは別だろう、っていう。」
「あんたも似てるでしょ。後輩の言った事で俺は何も言葉を発してないからその場に同席するくらい、いいだろって。」
❝ヤバイ、私今相当右翼的な発言したんじゃないの?!❞
と思ったけど、時すでに遅し。彼の右眉がピクリと上がったのを見逃すハズがなかった。
「──つ……つまり!あんな事言ってる後輩を注意することなく黙々とご飯食べてる様なアンタに感謝されてたとしても、気になる存在にされたとしても…」
「私から見たらアンタなんて日本の女性をナメてかかってる韓国人としてしか映らないのよ」
「だから”好んでくれてた”としても───進展なんかあり得ない!諦めろ!ってことなのよ」
よっしゃ!纏まった!
小さな心の中で大きなガッツポーズをして、私は去る様に喫煙室を出た。
早歩きでレストランに戻る最中、なにかを蹴る様な……殴る様な鈍い音がした。
そして、その後すぐに響く笑い声。
私にはアイツが何を考えているのか理解できそうになかった。私が男なら──プライドがズタズタできっと笑える状態じゃないだろう。