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シャネルを着た悪魔
第15章 ☆CHANEL NO15☆
「テヒョン、僕ももう違う道を歩みたいんだ。」
一言、ポツリとそう言った会長。
フォークを置くと、同じ様に紅茶を啜った。そしてその行動を見て、派手に立ち上がる彼。
思わず腕を握ってみたけど──どうやら、彼は怒ってるらしい。
降り払う事はしなかったけど、何か言い掛けてるその口を止める事もしなかった。
「違う道って……」
「オンマの事なんて気にも留めないでデカくしたグループだろ?!」
「それなら普通、オンマの気持ちを組んで守ろうとするんじゃねえのかよ!」
「お母さんは──あの人は──」
「親父にとって、帝国グループは命同然の事を知ってた。だから親父がオンマに構ってあげなくても、あの人はそれを我慢してたんだ。」
「会社をデカくしてくれるなら、あの人の野心である韓国財閥ナンバーワンだけじゃなくアジアナンバーワンになれるならって」
「そう思いながら、幼い俺を抱いて何度も唇噛み締めてたはずなんだよ!」
「──それなのに、その態度は何だよ!オンマの……オンマの気持ちはどうなるんだよ!!」
筋肉の付いた右腕を振り上げようとした時、イさんにそれを阻止される。
「テヒョン!!」
「ヒョン、止めてくれよ!これは俺と親父の話なんだ。」
「ずっと逃げてたけど──」
「いつかは腹割って話す必要があることなんだ「……分かってる!聞け!!」
珍しく大きな声を出す会長側近。
私が止める時とは格違いの威圧感だ、さすがに愛しの彼氏も振りかざした腕を下げて黙り込んだ。
「今日の二つ目の発表は──」
「イ、大丈夫だ。僕から言う」
「でも──。」
「良いんだ、コイツの言う通り……いつかは腹を割って話す必要があるからな。」
「テヒョン、今日の会見で最も僕が言いたかった発表は兄貴のことじゃない」
「──シンビとの離婚が昨日付けで成立したって事なんだよ。」