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シャネルを着た悪魔
第15章 ☆CHANEL NO15☆
「……ヒョンっ!!」
イさんに抱きつく彼は子供そのもの。
優しい笑顔でキツく抱き返してやるイさんも色々と辛かっただろう。
我が子の様に成長を見守ってきたテヒョンと、大好きな会長との確執を一番知ってる人物なのだから。
でも──その確執は、二人の男による漢らしい行動によって消えつつある事が私の目に写っていた。
「親父っ、アイツっ……。自分の命同然のグループを渡してまで──」
「良いんだ。それで良いんだよ」
「会長はそれよりも、シンビさんよりも……愛子さんを取った。」
「彼女が僕たちの目には見えない場所にいても会長の心の中には生き続けてた、そういう事だろう?」
「オンマ、幸せだろうな。」
「そうだな……。ああ、そういえば」
急に彼の肩を押したイさんは、ソファーに置いている自分のバッグの中から二つのジュエリーボックスを取り出した。
「何だよ。」
目をこすりながら、そう言うテヒョンは少し不機嫌。
良い雰囲気だったのに、って感じなのかな?男と女でもないのに、と苦笑いを浮かべそうになった。