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シャネルを着た悪魔
第15章 ☆CHANEL NO15☆


「──甲高い声でうるせえな。彼女の迎えくらい好きにさせろや。」

「早く行くぞ、裏口開けてもらってる。」


「ええ、うん。」

ちょっとイライラ気味のテヒョンは私を気遣うつもりは無いらしい。


荷物は持ってくれたけど……スタスタと先をゆくばかりだ。

空港の警備員さんたちが色々と面倒を見てくれてるから私が沢山の人混みの中で倒れる様なことはないけど。


先を歩く彼の背中にはシャネルのマーク。

少し寒くなってきた、この10月によく似合う薄手のロングニット。


下は彼が最近ハマってる白色のスキニー。ブーツはインヒールが入ってるんだろう、いつもより背が高く見えた。


きっと周りにいる韓国の人たちは思ってるんだろうな。


外見が重要視されるこの韓国で

何故あれほどまでのスター・テヒョンは背が高くもない顔も特別可愛くない女の為に──空港に来て、荷物をもってあげてるんだろう。って。


ネットに敏感な若者は、すでに私とテヒョンの関係を知ってる。

そんな私が帝国の会見の場に居たんだから、掲示板やツイッターは大騒ぎだったらしい。

『どうして、あの人が?!』

『帝国の隠し子なんじゃない?きっと財閥の力を使ってテヒョンを脅してるのよ』


『でもああやって会長を守ったのは、さすがだと思った。そんな事をする様な人が、財閥の力を使うかしら?』

『自分の危険を返り見ず、会長を助けれる様な女性だったからテヒョンオッパと付き合えるんじゃない?現に、一目散に逃げたシンビさんは、離婚されたじゃん』


反応は様々、肯定も有れば否定もあるし、国籍を貶される事もある。

まあ、あの動画が流出した時から──こんな感じだったから、それを今さらどうってのは無いんだけど。



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