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シャネルを着た悪魔
第15章 ☆CHANEL NO15☆
久しぶりに乗ったマイバッハは彼の香りがする。
裏口にも数十人のファンみたいな人たちが居て、気ダルそうにクラクションを鳴らすと一気にスピードをあげて国道に出た。
「運転荒い、隣に重傷の女の子乗ってるのに」
「完治が異様に早かった悪魔の様な女、の間違いじゃねえのか?」
私は彼の言葉にイラッとしながら音楽のボリュームを下げる。
最近二人してハマっているイギリスのロックバンドのアルバムだった。
「はあ、久しぶりの韓国」
「……どんな気持ち?」
「嬉しいわよ。故郷に帰ってきた、って思っちゃった。」
「そうか。」
格好付けてるけど内心は凄く嬉しいんだろう。もう丸分かり。
「なあ、話したい事が有るんだ。今ここで話すかどっかカフェ寄るかどっちが良い?」
「後ろから付いて来てる車も居るでしょ?ドライブがてら、遠回りしながら車内で話そう。」
爽健美茶を飲んでからそう言うと、テヒョンは窓を開けてタバコに火をつけた。
運転しながら煙草を吸うっていう荒業は、イケメンがするから絵になるんだろうな……。
「サファイア、活動休止することになった。」
「───んっ?」
なに食わぬ顔で言われた言葉に、私はなに食わぬ顔をしてられない。
目を大きくして、再度聞き返した。
「──サファイアは、三週間後のソウルライブをもって……活動休止する」
「……笑わそうと思って言ってるの?それとも本気?」