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シャネルを着た悪魔
第15章 ☆CHANEL NO15☆


「悲しかったよ。でもそれ以上に『ごめんなさい』って気持ちが大きく有ったかな。」

「何で謝罪の言葉なんだ」

隣の彼が、そんな事を言う。


「……私は、みんなに応援してもらってた。そしてその時に言われてた言葉はテヒョンの事を宜しくね、だったのよ。」

「覚えてるでしょ?私たちの家で皆で飲んだ時のこと。」


「マンネマンネって言われてるルイ君ですら、貴方が実は繊細でネガティブな部分が有ることを知ってた。」


「──だから、私は貴方のことを守る様に言われた。……でも結果的に、貴方の事を守れなかったも同然なのかなって」


「違うよ、リサヌナ」

被せる様にして、少し大きな声を出したのはジミン君。

こういう場面ではニコニコ笑って聞き側に回る彼にしては珍しい行動。


「ヌナの言う通り、サファイアはリーダーのテヒョンさんにとっても僕達にとっても分身みたいなもの。」

「でも、守る事が出来なかったんじゃない。」


「そうだよ」

「守る事が出来なかっ「俺に言わせてくれよルイ」


「ロイが話すの?口下手なのに?」

血が繋がっているとは思えない仲の良さ。ずっと一緒にいる訳だから、もっと喧嘩しても良さそうなのに。

この二人は……本当に見ていて微笑ましい。


「口下手だけど──ヌナは勘違いしてる、って伝えたい。」

「俺、ヌナとはあんまり関わり無かったから正直……本当、正直な話」

「休止の話が出た時は、ヌナのせいかな?って思ったんだよ。でもね、聞けば聞くほど──話し合えば話し合うほど、それは全くお門違いだったことがわかった」




「僕たちはサファイアを守れないんじゃなくて……」


「サファイアを永遠に守りたいからこそ、四人一気に兵役に行くことを決めた。」

「そして──テヒョンさんは、帝国という韓国の大財閥を継ぐ事に決めた」



『守るために』


その一言は、今の私には……ダメだ。

今日だけで何度涙を流しているんだろう。メンバーの前で泣くなんて、絶対にイヤだったのに。


「リサ。」

「テヒョン……っ」

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