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シャネルを着た悪魔
第15章 ☆CHANEL NO15☆

「こいつらの言う通り。俺は、サファイアとして居続けれる様に帝国を継ぐことにした」

「兵役は二年と少し。でも俺は──兵役に行かなくて良い代わりに、いつ復帰出来るのか分からないのが本当の所だ。」


「俺は……帝国をしっかりと元の『天下の帝国財閥』に戻してから、芸能界に復帰する。」

「それが何年かかるのかは分からない。コイツ達と同じ二年かもしれないし、五年かもしれないし、十年かかるかもしれない。」



「でも、それが俺にとって帝国とサファイアっていう──二つの宝物を守るための最善だったんだよ。」



「もちろん、お前を守るための最適な手段だったとも言える」




「なあ、リサ。」

「……はい。」

顔をあげると、そこには優しい顔をしたマネージャー、そしてメンバー。


「俺がお前を無理に韓国に連れて来た」

「そして無理に側に置いた。」


「その時は地獄に落ちた様な気分だったと思う。でも今は──どうだ?」


「とても幸せ。」



「だろう?──じゃあ、安心しろ。俺はお前にとって間違った行動は一切しない。」

「──お前は黙って俺のする事信じてくれれば良い。……側で小姑みたいな小言いいながらも笑ってくれるだけで、それだけで良いんだ。」



「要らないリスクをも抱えてしまうのが経営者なら、そのリスクを消すだけの癒しを与えるのが、女だろ。」

私が心底惚れたソン・テヒョンという人間はジェンガの様だな、ってバカみたいな事を思う。

何度も何度も、倒れ込んでしまいそうな──いつ倒れても可笑しく無い様な事に見舞われながらも、最後はキッチリと建て直すのだ。

対私でも、対アート財閥でも、対芸能界でもそうだろう。


そして、人々に感動や興奮を与える。


──確かに私は彼の言う通り、なにも深読みせずに信じるべきなのかもしれない。

マリリンも言っていた。

『愛とは信じること』だと──。


もし、彼女の言う通りなら私が謝るよりも口を出すよりも、黙って信じて付いていく方が彼の強みに成るだろう。

対世論、対韓国。ここまで話しは大きくなってしまう、彼が帝国を立て直そうとするならば。

でも、それを成し遂げる可能性が有るのは彼の兄貴でもイさんでもない。

彼自身だ。


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