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シャネルを着た悪魔
第16章 ☆CHANEL NO16☆
こうやって言い合いながらも彼が帰宅したら背中を追いかけて、まずコーヒーかレモンティーを淹れてあげるのが日課になってる。
「うわ、今日のレモン酸っぱい」
「時期じゃないんちゃう?」
「さあ。知らねえけど」
「──とりあえず、さっさと風呂入って歯磨いて化粧しろよ。あと40分で出かける」
「ええ?最近、そういうの多すぎ」
「おめえも、幾ら今回の事で注目浴びたからってずっと家に居るのはイヤだろ」
「そうだけど……。それならメールか何か入れといてよ。じゃあ用意してたのに」
「メール入れてても、電話してても、あと一時間早く起こしてても、二日酔いの時は行動が亀になるお前なんだから一緒だろ」
「後何分って決められた方がさっさと動けるのが元営業マンの血なのかもな」
『分かりきった様な事を言う』彼の言う事は『憎い位に当たってる』。私が笑い出してしまいそうになるほどに──。
「分かった。じゃあ適当にしといて」
「ああ。」
「テヒョンは着替えるの?三日分くらい洗濯溜まってるから何もないかもしれないけど」
「着替えない。ああ、そうだ。クリーニングもまだ取りに行ってねえよな?」
「うん。この足だし」
「じゃあクリーニング寄って、服取ってから、『ソコ』へ向かう事にしよう」
「分かった。」
結局、どこに行くつもりか教えてくれる気は無さそうだ。
バスタオルを持ってお風呂場へ向かった。