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シャネルを着た悪魔
第16章 ☆CHANEL NO16☆
真っ白のジャケットには胸元にシャネルのマーク。
隣を歩く彼が全身シャネルだから、私もそうしようかな。と思ったけど……
一言『そのジャケットにそのシャネルのスカートは可笑しいだろ。下はGUのスキニー位が一番合う』と言われて、この格好になった。
ヤクザの様な停め方をしたマイバッハの前には、テレビで見る様な豪邸。
車で少し行った私達が来たのは『漢南洞』だった。
ハンナムドンと言われているその土地にはハイアットホテルを中心に財閥の家族たちが住んでいるらしい。
まあ──ただでさえ大きい周りの家を一体何個引っ付けたんだろう?と言う位の豪邸の前に彼が車を付けたんだから、ある程度は理解できる。
警備員さんは頭を下げながら、門を開錠した。
「……ここって、会長の家?」
「そうだ。俺のイヤな思い出が詰まってる家」
「そんな事言うのやめなよ」
呆れながら、そう言った私。
歴代彼氏も結構良いマンションに住んでいたけど──ここは別格だった。
門を入るとすぐ目の前には噴水が有る。和歌山マリーナシティで見た噴水と同じくらいの大きさだ。
「何か凄い、フランスのお城みたい」
「シンビの趣味だろうな。実際に親父は日本風の家を建てたかったらしいし」
「へえ。シンビさんって結構メルヘンなんだ」
「メルヘンっつーかアホ」