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シャネルを着た悪魔
第16章 ☆CHANEL NO16☆
案内されたリビングは私達の家とは比べものにならない位の豪華さだ。
そんな部屋の中央に置かれているソファーで一人、座っている会長はテヒョンが到着するまでの間、どんな事を考えて、何を思っていたんだろう。
「イは?」
「居るよ」
「……まあ座れ」
「リサさんも、ゆっくりで良いから座りなさい。クッション要るかい?」
「いや、大丈夫です。」
「そうか。──前よりも歩ける様になってて安心したよ。サプリはちゃんと飲んでいるか?」
「はい。あれ不味いですよ、特に筋肉育てるヤツ」
「……ははっ、それは申し訳なかった。でも飲まないと早く治らないだろう」
「そうですけど」
私の『不味い』という言葉に反応したテヒョンはイさんと顔を見合わせて笑っていた。
まあ私が欲しいと言って買って貰った訳じゃないし、本当に不味いし──何より、こういう人は気を使われる事に慣れてるから、これくらいの態度で行った方が面白く思ってくれるだろう。
大体わかるもの。
会社で常日頃、上から文句を言われている様な男は従順な女を好む
逆に、もうチヤホヤされ慣れた人間ほど自分を上げない、じゃじゃ馬の様な女に惹かれるのだ。
それを分からずに、張り付けた様な笑顔で媚を売ってる女性を見ると『バカだな』としか思わない。
まあ、そんな性格が元になって……私は色々と不思議な道を歩む事になったんだけど。
「テヒョン」
「……。」
「イから聞いた。単刀直入に言うぞ」
「本当に──覚悟は出来てるんだろうな?」
「ああ。」