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シャネルを着た悪魔
第16章 ☆CHANEL NO16☆
「まず俺が帝国を継ぐメリットを言う」
「話題性は抜群だ。例えば、サファイア解散報道の次の日に帝国絡みの発表をする。」
「その二つは繋がってる訳だから、一週間……いや二週間はそのニュースで持ち切りになると予想されるだろ」
「そこで株価は『必ず』上がる。皆買い戻す事になるよ」
「その説明と計画が5枚目まで。6枚目からは──俺が帝国とは全く関係なしに進めてた事業の事が書いてる」
「……事業?そんなのしてたのか」
「いや、しようと思ってたんだ」
真っ白の紙に書かれている題名は『アミューズ買収計画』という文字だった。
アミューズとは──私が日本時代、働いていた会社だ。
「ええ!?」
「──気付いたか?」
「気付くわよ!どんだけお世話になった所だと思ってんの!」
「コイツを側に置く際に色々とアミューズについて調べたら、まだまだ伸びしろが有る事が分かったんだ。」
「でもイマイチ伸びないのはアソコが『同族経営の極み』だから」
「仕事の出来る同族じゃなくて、出来ない同族だからこそ、あの地位でとどまってる。だから買収しようと思ってた」
「……お前が個人で、か?」
「ああ。話は進んでる、時価総額870億円で即決らしい。」
「870億──!?」
男の話には入らないのが私の美徳なのに──。
桁違いの額を聞いて腰が抜けそうになった。
さすがに会長も呆然としている。
「……何度も聞いてすまないが、お前はそれを帝国とは関係なしに個人で買い取ろうとしていたのか?」
「──だからそうだって言ってるだろ」
「870億の会社を、か?」
「親父は離れてたから分からないだけだ。俺はソン・テヒョンだぞ。」
「──現在、色々と噂になってるジョニー・デップで年収は100億ベースだって言われてる。」
「でも俺達サファイアが全米ツアーを行うと、その市場価値は200億ベースだ。」
「そしてほぼ全ての曲は俺が作詞と作曲を行ってるし──個人でのソロ曲含め、スポンサーになってるブランドが沢山ある。」