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シャネルを着た悪魔
第16章 ☆CHANEL NO16☆
「そんな生活を何年もしてたんだ。そりゃ100億ベースでとどまる訳ねえし、それ位の金が貯まらない訳もねえよ。ま、それでも流石に800億は持ってないけど、俺の名前が有れば銀行の融資で400億近くは受け取れると踏んでた。」
「芸能人は水物だから家のローンも通りにくいって言われてるけど、俺は何てったってソンテヒョンだし。兵役の心配は無いし、銀行もバカじゃねえから今後10年続く印税の計算も頭に入れるだろうしな。」
「……でも腐るほど資産が有っても無駄な金は嫌いな俺。何故そんな俺がアミューズに決めたか……それはリターンが有ると踏んだから。」
「アパレルは初めてだったけど、俺の力はBNの力、BNの力は韓国芸能界の力も同然だ。」
「流行り物が大好きな韓国人の気質を考えても、一発当てるのに二週間は要らない。」
早口で捲し立てながらも、キッチリと私やイさんにも分かり易い様に話してくれてるのが手に取る様にして分かった。
「帝国の力になれば──帝国が長年かけて築き上げた分厚いヨーロッパ各国への貿易基盤を使って日本と韓国のミックストレンドを発信していける」
「そして──逆に、アミューズが強い『南米』への貿易基盤を帝国は得る。」
「そうなれば一石二鳥だろ?今、南米には資源ビジネスのブームが来てるし。今更、ドバイだアラブだなんて言うよりも、まだアジア人が手を付けていない土地に早い事手を付けた方が良いと思うんだ。」
「そしてBOPビジネス」
「お前、BOPビジネス知ってるのか?」
お手伝いさんが持ってきてくれたお茶が入っているカップを机に置いて、ゆっくりとそう聞いたイさん。
「ああ。リサ、分かるか?」
「いや、全く分からない」
途中からあなたの言ってる事ほとんど理解できませんでした、とは言えなかった。
「今、先進国市場は落ち込んでるだろ?それは分かるか」
「うん。景気は悪いよね」
「そうだ。そこで世界が目を向けたのが、40億人といわれる途上国低所得者層を対象としたBase of the Economic Pyramid business。略してBOPビジネス。」
「韓国経済にとっても輸出や輸入関わらず金属資源などを豊富に産出する南米資源国は、大事なお友達だ。」
「そうね、絶対切っても切れないわよね」