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シャネルを着た悪魔
第16章 ☆CHANEL NO16☆

両方とも、さすが親子。そっくりな性格だよね。


目尻を下げて笑った私に、会長は咳払いをすると話しかけてくる。


「リサ"ちゃん"。すまないね、仕事の話しばかりしてしまって」

「大丈夫です。楽しいですよ、韓国語と英語の勉強にもなるし」


「そうか、それなら良かった。──今日はこの後用事あるのか?」

「いやっ……」

私は分からない。隣に座る男と一緒に行動するときは、その後の予定なんて把握しないのに。

チラッと彼をみると、彼も彼で不思議そうな顔をしていた。

「適当に飯でも食いにいこうと思ってたけど。何かあるのか?」

「いや、間違ってレストランを四人で予約したんだよ」


「確かイ、今日のレストランは利久っていう日本食だったよな」

「そうですよ。」


「イと二人でいくつもりだったんだけど、コイツが間違ったんだよ。だから──もし予定が空いてるなら……」

また途切れる空間。

普通に四人で行きたくて、予約した。って言えば良いのに。

変なところ強がりなのが可愛くうつる。

「ははっ、テヒョン行こうよ!私たち二人が行けばちょうど四人じゃん」

「──あ、ああ。」

そんな私のナイスフォローを、イさんは会長に見えない様に頷いて、肯定してくれた。

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