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シャネルを着た悪魔
第17章 ☆CHANEL NO17☆
彼はテレビを消した。私も彼のそんな行動に今日ばかりは文句を言わない。
二人共喫煙者だからかな?窓の開けられていない暖房ガンガンのこの部屋は、少しだけ白く煙っている様に見える。
「ねえ、煙たいよね。窓開ける?」
「カーテンは閉めたままにして、窓だけ開けてきて。」
「うん。」
この位の距離なら──松葉杖は無くて大丈夫。
言われた通りにカーテンは何も触らずに空気だけ入れ替えれる様にした。
ここまでしないと、部屋の中の様子も撮られるのかな?
韓国の記者たちは激しい事で有名だった。
「リサ」
「ん?」
冷蔵庫から、通販で買った黒バラのコーヒー牛乳の紙パックを取りだしている私の背中に問いかけるテヒョン。
「またお前に『女にこんな事言わせて』って怒られるかもしれねえけど、お前の意見も聞いておきたいんだ」
「……。」
「俺は今日からサファイアのリーダー、ソン・テヒョンじゃなく帝国の跡継ぎとして皆から見られる事になる」
「そうなれば勿論、お前の事も色々と浮彫になって──もしかしたら歩いてるだけで、その姿が盗撮されてツイッターに載る事だってあるんだ」
「足が短いとか背が低いとか叩かれるかもしれねえ。帝国の財閥と付き合うには不釣り合い過ぎるってバカみてえな事を、もしかしたらテレビとかでも言われるかもしれねえ」
「そういった事も踏まえて、最終確認だ。」
「お前は──」
「今後どうしたい?」