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シャネルを着た悪魔
第17章 ☆CHANEL NO17☆

紙パックにストローを差し込むと、何とも間抜けな空気の抜ける音が部屋に響いた。

「私の意見は」


「うん。」


「私は──貴方と共に居たいよ、何があっても」


「ねえテヒョン、結婚しよう」



「────っ」

肩を揺らしているのが、ここからでも見える。


何故かソファーの横に座れない自分の弱さを憎んだ。



「それはダメだ」

でも弱いのは彼も同じだったみたい。

私の顔を見ない様にして、ただ真っ暗なテレビを見ながら、そう一言呟いたのだから。


「──ダメ?何故?」


「……私も貴方のオンマと同じ『愛人』になるの?」




「違うっ!そういう事じゃない!」

「じゃあ──……こんなに愛しあって「愛してるからなんだよ」


「……意味分かんない」


「愛してるからこそ、こんな中途半端な男と結婚してほしくないんだ。」

「どこが中途半端なの?」


回りくどい言い方を好む彼にキレそうになってくる。

普段はズバズバと人が傷付く事もいう様な男なのに……大事な時はこんな訳の分からない言い方、ってね。


「私の事を好いてくれてる、私も貴方を好いてる。結婚ってこれだけの条件が揃えば充分なんじゃないの?」

「──それとも、貴方もアボジと同じくして『帝国』の今後のために日本人とは籍を入れれないと私に突き付けるわけ?」


「だから違うって言ってんだろ!!」



「じゃあ何なのよ!」


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