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シャネルを着た悪魔
第18章 ☆CHANEL NO18☆
『でも凄いよね、ヒョンは。だって副社長から二年で会長代理だよ』
『バカ言えルイ。コイツは──それだけ結果を残したんだよ』
というジン君とルイ君の会話を思い出す。
テヒョンが最も拘っていた『結果』という面については──文句の言い様が無いだろう。
隣でずっと見てきた私だから分かる。
彼は誰よりも継ぐにあたって帝国の歴史を勉強し、アミューズの基盤を使って事業を南米まで拡大した。
そして……自分の人脈を使い、帝国が手を出した事のなかった『BOPビジネス』と『アパレルビジネス』をいとも簡単に軌道に乗せてしまったのだ。
その結果、帝国は三年連続で自社の歴史を塗り替え『黒』を作り出した。
──だからこそ、四年目の春。
サファイアが活動再開する事をアボジもイさんも何も言わなかったし、私との結婚を発表しても彼の人気は衰える事を知らなかったのだろう。
「なあ、リサ。ジンの新しいドラマ録画してるか?」
「うん。もう三話分くらい溜まってるんじゃない?」
やっとこさ、子供を抱き上げたテヒョンにそう返す。
「でも凄いよね。ジン君ってば、本業の俳優さんたち抑えて兵役から復活するなり国内の大きい賞を総ナメだもん」
「アイツは凄いよ。演技に関してはピカイチだな」
「ジミン君は?」
「ジミンもすげえよ、今はテイラースウィフトとコラボしてるだろ。アメリカでも韓国のダンス技術は通用するんだってBNのオーディション応募数は去年の2倍になった」
「へえ──。」
「ロイも持ち前の顔とスタイル生かして、グッチの専属モデルに抜擢されたし……ルイは相変わらずバラエティーで引っ張りだこ。今では生意気に司会もしてるしな」
「凄いよね、サファイアって──」
「俺は帝国の会長代理だしな。」
自分で言う所が気に食わない。
でも……彼の言ってる事も間違っていない。
勿論、そうやって各自の分野で大きな成功を収めている五人が揃ったのだ。
活動ペースは前ほど速いモノでは無いけれど、それでもユーチューブに新曲を載せれば一週間で再生回数は2億回を突破するし、もう化け物と言っても過言じゃない。