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シャネルを着た悪魔
第18章 ☆CHANEL NO18☆

彼は一度考えた素振りをした。だけど……『素振り』だろう。心の中では決まっていそうな感じの顔をしていた。

「日本の大阪に行きたいんだ」

「京セラは大阪だぜ」


「──愛子が住んでいた、あの土地を僕も体感してみたくてね」

「話しによるとプサンとよく似ているんだろう?みんな優しくて人情深くてとても良い所だって言ってた」


「私も大阪だけどそれはオンマの意見に賛成。東京は都会的で何でも揃ってるけど冷たい部分が有るの。逆に大阪は田舎クサイ部分もあるけど、その分人が温かい」

「そうか、リサも大阪か」


「うん。ねえアボジの──愛子さんって大阪のドコ出身だったんだろう?」

どこから見つけてきたのか……私の化粧ポーチの中に入っていた筈のシャネルの口紅を手に持って遊んでいるアイを抱きかかえて、そう言った。

「サカイ、と聞いている。知ってるか?」


「────堺?」

大阪で唯一の政令指定都市だ。



そして──私の地元でもある。


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