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シャネルを着た悪魔
第2章 ☆CHANEL NO2☆


──ジュエリーというのは、どうしてこうも女性に自信を与えてくれるんだろう。


別にアイライナーを上手に引けたワケでも鼻先が尖って白人みたいになったワケでもない。


それでも何故か、このスターサファイアを付けているだけで、このフジテレビの中を自信満々に歩けてしまうのだ。

端から見たら周りの観客達も私も皆同じだ。

でも私は『同じ』という意識を持ち合わせていない。それはきっと、この魔法の石のおかげ。


───……50席ある内の、一番前そしてど真ん中という幻の様な席についた。

まだ誰も芸能人は来ていない。

その代わりに、スタッフさん達が私達に拍手をするタイミングを教えたりカメラチェックをしていたりと結構慌ただしい雰囲気だった。


私の仕事は、計算通り一時間で終わった。

のんびりしていたのに、予定通りここに到着できた。そう思うと私の仕事って辛い様に見えて実際は、辛くないのかもしれない。


こう思ってしまうのは、目の前のスタッフさん達が非常に忙しそうに……そして、しんどそうにしているからなのだろうか?


腕に煌めくハリーウィンストン。

そして薬指に輝く、これもまたゴールドの指輪。



周りの女の子は確かに皆可愛かった。華が有るし読者モデルとか、芸能界に片足突っ込んでそうな感じだ。

凄く目立つこの席で私は、悠長にのど飴を舐めながらリョウ達が登場してくるのを待った。



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