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シャネルを着た悪魔
第2章 ☆CHANEL NO2☆
「回しまーす!3!2!……」
『───はい、今週も始まりました。ピースアンドナイト!放送日が1月の2日なので~え~正月特番という事になりますね。明けましておめでとうございます!』
テレビで引っ張りだこの司会者さんが大きな声でそう言うと、隣に座っていたリョウも大きな声で私達に向かって、おめでとうございま~すと言い綺麗な手を振った。
それだけで歓声が上がるのだから、やっぱり彼はスゴい。
『いや、特番だしたまには二人で……と言いたいんですけど、僕とリョウくんだけじゃ、画が弱いということで…』
『弱いって何ですか?それ。もしかして鈴木くん、君がそんなこと言ったの?』
とディレクターを指さすと、カメラがとある小太りの中年男性をアップにする。
すると、会場は笑いにつつまれた。
『藤波さんだけで画が弱いって言われるのは分かるけど、俺も言われるって……俺ってあのカワスミ・リョウなのにねぇ?』
わざとらしくウインクする彼にまたも歓声。
なるほど、テレビというのはこうやって出来ているんだ。と妙に納得。
そしてこの場を回せるリョウのトーク力に驚いた。
『俺、本当ピースアンドナイトじゃこういうキャラだけど新クールでは刑事役なんだからさ~皆、ギャップに困らないでね』
『本当、こいつはこうやってちゃっかり番宣いれるから腹立つんだよ』
と呟く藤波さんの声を聞いて、リョウは口に含んだ水を吐き出しそうになっていた。さすが役者だなあ、どんな場面でも演技が上手いし、行動1つに意味を持たす事が出来る。