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シャネルを着た悪魔
第2章 ☆CHANEL NO2☆

『さぁ、ほらもう早くゲスト呼べってカンペ出てるから、呼ぶよ。今日はどっちが呼ぶ?俺?リョウ?』

セットの作りは結構しっかりしている。

バーを意識しているんだろう。

カウンターが有って、ちゃんとシンデレラやドルフィンと言った飾りのボトルから日本のウイスキー、シャンパンまでもが用意されてある。

飾りボトルって……ホストクラブか!と思ってしまう私。

シンデレラやドルフィンなんて通常は使わない。きっとこの番組の枠は夜中で夜の仕事をしている人達をターゲットにしているのだろう。今度放送時間を聞いておかなきゃ。

言うならば、昔大阪ローカルでしていた『たかじんのbar』に雰囲気がよく似ていた。


『じゃあ年明けだし、二人で呼びましょうか。せーのっ』

『『カモン・カスタマー!』』


周りの女の子達も声を合わせて叫ぶ……そしてその2秒後にその声は悲鳴に変わった。


ゲストは──。


『本日のゲストは~!──Sfireさん達です~!』



「きゃ~テヒョン!こっち向いて~!」

私のすぐ目の前には、こちらにむかって綺麗に一礼する彼達が居る。

ビックリしすぎて口が開いていた私。そして、そんな私には気付いていないのだろう、今のところ誰とも目は合っていない。


『まず、じゃあ自己紹介からお願い出来ますか?』

「はい。僕はメインプロデューサーをしています。名前は──えっと……テヒョンです」

シャネル野郎が口を開いた。

いつもの日本語よりももっとたどたどしい。結構、計算高いヤツなんだな。


『あれ、思ってたより日本語話せるんだね~』

「あー、ボクの母親が日本人のハーフなので」


『それは初耳だった!そうなんだ、ありがとうございます!では、次お願いします』


「はい、僕はジンです。好きな食べ物はラーメンです。お願いします」


『ジンさんは、"花より団子"に例えると花沢類みたいな感じだよね。格好良いし、クールだし、10言えば100を分かってくれるイメージが有る』

『ちょっと藤波さん!花男はダメ!思いきり他局だから!』


私がライターを貸した彼は、ジンくん。

確かに藤波さんのいうことも分かる。


彼は声も低いしシャネル野郎に比べてクールな印象があるから、必然的にF4に例えるなら花沢類辺りになってしまうのだろう。
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