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シャネルを着た悪魔
第2章 ☆CHANEL NO2☆
『じゃあ、そんな女の子が出てきたら、もうテヒョン君は惚れちゃうって事だね』
「そうですね、出てきてくれたら、僕は多分新曲を発表するペースが増えると思います」
ここでまた乾いた笑いが起きる。
この人がメインプロデューサーという事は───そういう事か、作詞作曲、彼自身がしているのかもしれない。
「でも~ズルい!僕達じゃなくて藤波さんとリョウくんの話もしてくださいよ~!」
「藤波さんだって、それこそお気に入りのコールガールの一人や二人は居るでしょ~!」
『ルイ!お前なぁ~』
と言ってワインを飲ませようとするが、何しろ男七人で飲んでいるのだ。もう……ボトルから出てくるのは一滴、二滴ほどしかない。
それを見た花沢類ならぬ、ジン君は同じのをもう一度頼んでいた。
オーダーの素振りを見せびらかす事もなく、あくまでも自然に。──さすがだ。
『俺はね、もう嫁と仲良くしたいから……ダメダメ!だけどリョウ、お前ももう芸能界長いし恋愛位は許される年齢と地位になっただろう。どうなんだよ?』
二年ほど前に不倫報道で、こっぴどく奥さんに叱られたらしい藤波さんは本気でイヤそうな顔をしていた。
何度か夫婦でテレビに出ているところを見た事があるけど、やっぱり芸能人と云えど家庭では『旦那』である彼。──そこらへんの家と変わらない様に奥さんの尻にひかれてた事を、よく覚えている。