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シャネルを着た悪魔
第2章 ☆CHANEL NO2☆
「I think...your girl means this ring's girl?」
【もしかして、貴方の女性ってその指輪の?】
『……』
突然の英語に、一瞬だけ静かになるスタジオ。
意地悪な質問をしたのは、勿論テヒョンだ。
こいつ多分あの指輪が…リョウからのプレゼントだと気付いている。ここに居る私の存在にも──。
『まぁ、このスターサファイアは自分で買ったけど』
と笑いながら話し出す元カレ。
付き合っていた時は、彼はもっとイケイケだった。
あの時の彼なら……あからさまに不機嫌な態度になっていたかもしれない。でも、今はこうやってちゃんと返事をしている。やっぱり時間というのは男をも成長させるものだ。
『俺も、ハニートラップに結構引っ掛かる方だから何とも言えないけど……本気になれるのは、俺自身を見てくれる人かもしれないね。それはテヒョンさんと同じ』
『でもさぁ、そういう女性って総じて気が強いというか我を持ってるからさ。ある意味落としにくいんだよね』
『──お金とかプレゼントとか芸能人としての地位に靡かないんだよ。心の底ではどう思ってるのか知らないけど、出す表情は『貴方がプレゼントしたいから、してきたんでしょ?』みたいな強気な態度でしょ』
『つまり……男としてぶつかっていかないとダメだからさ。そういうマジな恋愛したら、俺は多分皆が思う以上に良い男になれると思うよ』
と最後はファンに夢を与えさせて……そして私には──テヒョンに喧嘩を売っている様にも思えた。
いや、もしかしたら『テヒョンからの喧嘩を買った』説もあり得るかもしれない。
「言ってる事スゴく分かりますよ。」
納得するジン君と、リョウの言葉を聞いてから右口角をあげてワインを一気に飲み干す事の発端でもあるテヒョン。
まさかお花畑の私の予想が、こういう風に答え合わせされ始めるなんて思ってもなかった。