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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆
「え~リサさん!泊まったら良いじゃん。」
「そして、明日俺達のコンサートに来れば最高ですよ!」
「……コンサートはパスかな」
「な──なんでっ?!」
今まで断られた事がないのだろう。
あまりに真面目なトーンで言ったリョウをルイくんは目を大きくして見つめていた。
「何でって、そりゃサファイアのコンサートだろ?お前が取ってくれる席はVIPだろうし周りに色んなヤツ居るじゃん」
「リョウ、リサさんと付き合ってる事誰にも言ってないの?」
「違う違う。俺たちは付き合ってない。──でも、コイツを他のヤツらに見せるのがイヤなんだよ。……しかもお前の所の事務所の後輩たち、手早いだろ」
「後輩は俺らの仲間に手を出しませんよ!」
──いや、出しかけてたよ。という韓国での出来事は内緒にする。
あまりに必死なルイくんと、あまりに冷静なリョウ。何だかそれがいつもの私と彼みたいで面白かった。
「リョウもヤキモチ妬く事あるんやね」
と嫌味を言ってみる。
すると───。
「まあ、俺に昔一年半も付き合ってきてくれてた女だからな。情も有るし…勿論今でも戻ってくれるなら、戻りたいと思うし。」
後ろから抱き締められて、そんな事を耳元で言われた。
ドラマの撮影も有りまともに睡眠時間を取ってないのだろう。既に少量のお酒と雰囲気に酔う彼の姿を見るのも二年振り。
私は、やっぱり何だかんだ言いながらも『素直で可愛い人』と付き合えていた。
「え~ちょっとリョウくん!何してるの~貸しきりだからってさぁ…」
「本当だぁ!抱き締めてる~!」
「ちょ──ちょっとリョウ!皆見てるから…離してっ…」
巻き付く腕を離そうと試してみるのに、彼は男。力が違いすぎてビクともしない。
「ほら、リョウ」
「良いじゃん。こうやって一緒に酒飲むの二年ぶりなんだぜ?嬉しいじゃん。」
「それとこれとは別やろ!貸しきりやからって、ここまでして……もし誰かに何処かに写真売られたらどないすんの!」
「リサさんも酔っぱらってそうなのに、やっぱりしっかりしてるんだね。リョウが惚れちゃったのも分かるなあ」
ルイくんに対して『解説は要らないから、今すぐリョウを離してくれ』と切に願ってみる。
だけど彼は、何だか誇らしそうな顔をしたま私達を見つめているだけだった。