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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆
「俺、惚れたのか?」

「……反韓思想を持つ、偉そうで、特別可愛くもなくて、態度だけ一丁前のお前に」


突然言われた、予想してた様でしていなかった、悪魔の様なワード。

「そ、そんなん知らないわよ」

「でも、自分の気持ちは認めた方が楽になるわよ。勿論、貴方がそのもどかしい気持ちを歌にしたいというなら、すぐに認める必要はないと思うけどね~」


「──お前こそ、だろ。そんな余裕ぶる前に、素直に慌てふためく様子を俺に見せたらどう?」

「別に、何それ。」



「分かった。じゃあお前が見せかけだけの余裕じゃなくて……心の底から余裕だと言う事にしよう。」

「お前だけ余裕。」

「お前を好きなリョウと俺だけ必死」

「何か馬鹿みたいだな」


お酒が入っているせいもあるのだろうけど、想像以上に喋りだす彼を見て驚いた。


そして──この会話が他の人に聞こえていないか本気で心配になった。


でも何だかんだ、聞こえていないだろう。この環境で、こんな話をしているのだから。


私と喋る彼の顔を見て、怪しむ女の子は居るかもしれないけど。



「そこまできたらもう自分の気持ちを認めてるのと一緒よ。少しは楽になったんじゃない?」


「じゃあ、お前のお望み通りのことをしないといけないよな」


「何?私の望みって?」


「買い物、付き合ってくれよ」

「え?買い物?」

『今は欲しいものなんて無いわよ』何て言う前に───力強く私の手をにぎり、私を立ち上がらせた。

リョウの頭が畳みにぶつかる鈍い音がするけど、彼は熟睡しているのだろう。起きる気配がなかった。

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