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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆


「これが個人的にはお似合いかと──」と丁寧に前置きしながらネックレスを手渡す店員さんの対応とは真逆の対応をするテヒョン。❝偉そう❞とは又違う、威圧感。


そのネックレスを五秒程見つめてから…「じゃあそれで良いよ。今の所はネックレスとバッグとワンピースが決定だから後はヒール。一緒に考えて」といとも簡単に答えを出してしまう。


私も自分自身の事を決断の早い女だと思っていたけれど、やっぱり彼と私じゃ土俵が違い過ぎる。

正直、ここまでされたら余計気が引くだけなのに──アジアのラテンと言われる韓国人男の愛情表現には本日、心底驚かされるばかりだった。


何だかハリーウィンストンを買ったり、車を買ったりしてくれただけで、『俺を褒めろよ』という顔をしている歴代のアホボン達が懐かしい。


「おい、何ボーッとしてんだよ。あんたの決めてるのに」

「分かってるけど別次元過ぎて何だか。」


「緊張?」

「緊張というより、引いてる」



「はは!人の優しさをお前ってやつは…」

目を細めて、顎を少し上げて…綺麗な歯を見せて少年の様な笑顔で笑う彼。

確かに私は彼の優しさに引いている。でもー…今見せた彼の笑顔には惹かれた。



『今のは惹かれたわ。』

『ヒカレタ…?ナニガ?』

『さぁ、日本語、頑張って勉強したら意味が分かるかもね』


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