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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆
『おかえりなさ~い!』
先程よりも熱気がある店内。
ルイ君の上手な日本語に迎えられて私たちは再び此処に戻ってきた。
……流暢な英語で、あんな事を言われた私。ムカつくとか、そういうのじゃなくて圧倒されてしまった。何故なら──彼の言ってる事に納得出来たからだ。
私はホステスでも無いのに、女の価値は男から貢いでもらった額で決まる……そう、これに近い事を心のどこかで感じ続けていた。
「うわ~リサヌナ!可愛い!すごいね、とても綺麗!」
「ありがとう。サファイアのリーダーのセンスに乾杯って感じ…」
あからさまに元気の無い私をみてルイ君は驚いたというより……不思議に思ったのだろう。
目でテヒョンに何かを語りかけていた。
沢山のモデルさんたちの視線が痛い。
何故お前?!という様な意味合いが込められている視線に、私だって何が何か分からんねん!と大きな声で言い返したかった。
「あれ?お前、その服どうしたの?」
「あ、リョウ!そっちこそ何で素面なのよ」
「質問に対して質問で返すなっつーの。吐いたらちょっと素面に戻っただけ。」
「そうなんや。」
「うん。で、その服は?──テヒョンに買って貰ったのか?」
「そうやねん……。それがさぁ」
と話出した私は、そこら辺にあった誰かの飲みかけのビールグラスをもって、タバコに火をつけー…リョウを自分の隣に呼ぶ。
彼は苦笑いを浮かべて私の隣にそそくさと歩いてきた。
そして、細くて綺麗な足を組み続きを催促する様に私の目を見つめる。
「テヒョンに、いきなり。そのスターサファイアの指輪に合う服を買ってやるって言われて」
「あぁ?うん」
「カルティエに連れていかれて、ネックレスと鞄、ヒールにワンピースと、ついでに時計──まあ一式買ってもらったって訳やねんけど」
「いやいや、色々走り過ぎ。どういう事だべ?」
「……それが私にも分からんねん。リョウが寝てる時に起こった事やねんけど。まあ、嫉妬からやと思うねんけど」