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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆
まるで悪阻の様に、15分間隔で私の事を襲ってくる吐き気。
そしてその度に私が分かりやすく自分の口を押さえるものだからテヒョンが離れたくても離れられないという様に隣に座って、背中をさすってくれる。
私は、減らない口を恨む事なく、絶好調になりながらお水を飲んでいた。
水でも、案外酔えるものだ、
なんていう上司が言いそうな言葉をテヒョンにいうと彼はまたも大笑いして、私の頭を軽く叩いた。このおっさんめ、と言いたいのだろう。
鳴り止まないラブショットコールが本気で煩く思い振り向くと、丁度こちらを見ている有名アイドルの女の子と目が合う。
確か彼女が所属するグループにも、何度かウチのメーカーがお世話になった事があった。
まあ、売り上げ的には『あんまり』だったけど。
すごい形相でこちらを睨むもんだから私も酔った勢いで、中指を立てる。
すると──…パチ~ンという軽快な音と共に本日二度目の痛くないテヒョンの叩きが見事に私の頭にクリーンヒットした。
いつも甲子園を貸すまでは成績抜群の阪神タイガースファンが聞いたら喜びそうな程、軽快で勢いのある音だった。