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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆

「あーヒョン!ヌナの事殴ったでしょ!」


「殴られた~」


「こいつマジで酔ってる。後少しでマネヒョン来るみたいだし、俺も明日朝早いからついでに送っていくわ」


「明日、朝早いって何?リハは昼過ぎスタートでしょ」

「ポール・ウィンストンも日本に居るんだって。明日は早めのランチしてから適当に銀座ブラつく予定」


ポール・ウィンストン。

酔っぱらっているから私が聞き間違えたのか?


「ああ、そうなんだ。じゃあヒョンとはドームで会うってこと」

「そう。」


「──ねえ」

「何だ」



「………ポール・ウィンストンって、今アメリカで一番人気だって言われてる、あのポール?」

「そう。アイルランドシリーズの主演」


「──マジで言ってる?」


頭に浮かぶのは、視聴率40%を平均でたたき出したモンスタードラマの主役俳優さん。

出身はイギリスで、お父さんは【日本で云う、防衛大臣】の地位に当たり、お母さんは元プロゴルファーという華やかな家族に生まれた人だ。

年齢は確か……今年で30歳だったかな。


「ねえ」

「何だよ」

ダルそうな顔をするテヒョンの胸倉を強引に掴んだ。

ルイ君の驚いた顔が視界に入るけど、気付かないフリをしてそのまま彼の顔を見つめる私。



「今日ウチ泊まってく?」

「……はあ?」


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