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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆
私はなぜ彼がここまで笑うのか理解できなかった。

「──え、なんでそんなに笑うの?別に普通じゃない?ねえ、テヒョン」

「……ちょっと待って!本当に待って!」


安物のお笑い芸人みたいな制止の仕方だ。お酒も入ってるしテンションが高いんだろう。

そりゃ──番組でも結構飲んでたもんな。


「ヌナ、この人誰か知ってる?」

「知ってるよ。テヒョン」


「そう。じゃあ…俺たちのSfireは、どんなグループか知ってる?」

「そんなの分からないわよ。私、国際営業つったって……主に南米とロシア、たまにドイツを担当してただけだもん。韓国なんか分からんよ。」


「ぷはっ、ねえヒョン!ヌナ面白いね」

「そうか?」


「いい、リサヌナ。俺達サファイアはアジア人初、去年グラミー賞を受賞したんだよ。全米iTunes配信も50週連続一位取って歴史も塗り替えた」

「アメリカでのツアー収益は、約120億市場とも言われてる。」


「……グラミー賞って、あのレディー・ガガとかが取ってたやつ?」


「そう。だから──そのサファイアの人気頭でありリーダーであるヒョンと寝たい女しか居ないと思ってた」

「それなのに『宿泊料は取らないんだから~』の下りが何か面白すぎるよ!」

ああ、そういうことか。

やっと理解できた。彼は、私がテヒョンに対して上から目線でモノを言うから面白いんだ。

きっと今まで見てきた女は、自らお金を払っても抱いてほしい。と祈願する女ばかりだったんだろう。


「だって私、K-POP興味ないもん」


「ヌナは誰が好き?」



「──私は、マリリンモンローが大好きよ。まるで娼婦の様なバカを演じてるけど、実際は強かで賢いでしょ?」


又、的はずれな回答だったのかもしれない。今度はテヒョンもルイ君と同時に大きく口を開いて笑っていた。


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