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シャネルを着た悪魔
第1章 ☆CHANEL NO1☆
『俺はあの左の子だな』
『ああ。スキニー履いてデカめのトレーナー着て、いかにも韓国好きな日本人って感じの子だな。確かに好きそう。』
『そういうお前は?』
『俺は右のピンクのレースワンピースの子!』
『あぁ……あの子は逆に日本でモテる女の子って感じだ。』
『お前ブリブリが好きなんだなあ』
『ウンサン、お前は?』
『俺は、スーツの子かな』
『スーツの子は顔が一番綺麗!エキゾチック。でも俺は落としにくそうな子は無理』
『お前確かに気が弱そうというか簡単にイケそなの好きだもんな』
『やっぱり日本のデパートは品揃えが良いし安いし最高だなぁ』
その言葉が聞こえた瞬間に私はグラスを静かにおいて彼たちを見た。
絡まる事しか知らない私の目と彼達の目。
——確かに綺麗な顔をしている。
『やばい……聞こえたのかな』
『日本人だから大丈夫でしょ』
左端に座る男がそう言った。
一時期の人気絶好調だったジャスティンビーバーと同じ様な髪型をしている。愛ぴょんの事を韓国人系だね、と評価していたヤツだ。
私はグラスを持ち、冷静装って彼たちの席に向かった。
「ちょ、ちょっと里紗?」
「どこ行くのよ?」
「ナンパしてくる」
「ナンパって……あの人達!」
途中からは同席している”値踏みされた友達たちの会話”は耳に入らなった。
格好付けの自分が出たのか、いかに酔っぱらって足がふらついている自分を隠し通せるか、という事しか頭にない。
彼達のテーブルの空いている椅子に腰かける。
六人掛けのテーブルだから、ひとつだけ空席という状況だ。
ウェイターが不思議そうに私を見つめていた。