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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆
──何だか久しぶりな感じがする我が家。電気を付けてから、真っ直ぐ歩いてリビングに直行する私。
「水飲む?」
「ラーメン作って」
まるで自分の家かの様に用意したスリッパも履かずに、ソファーにドカンと座ってテレビを付ける男。
わざと大きくため息をついてから、言われた通りに鍋を出して簡易ラーメンをキッチンの棚から取り出した。
「簡単なやつでいいでしょ」
「ああ。」
リョウにもこんな扱いされた事ない。
でも明日の……ポールのためだ。まさか私が昔寝室に飾ってたポスターの人物に会えるなんて──。
例えこの仕事をしていても想像できなかった。それほど、雲の上の存在なのだ。
グラスに氷を沢山いれて、浄水器の水を入れる。そして、それを机の上に持っていった。
『ありがとうごじゃいます』
韓国人は"さ行"が言いにくいらしい。
『どういたしまして。』
お湯が沸騰するまでは、あと二分くらいだ。急いでバッグを掛けてから、寝室に行って、ジャージに着替えた。