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if…─もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
第1章 もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…





…実際に保健の渚先生はそれだけ魅力的なひとだ。

そんなことはこの学校の誰よりもこの自分がよく知っていること。

だけど、そんなコトを考えている間にも、背中を預けた壁づたいに、やけに重たく感じる自分の肢体が崩れ落ちそうになる。


「は…っ…ハ…、ンンッ…」


もう息をするのも精一杯。


─センセイ…


近くて遠い扉の向こう側…

胸元にギュッと手を押し当てながら、想い求めてならない存在に無性に泣きそうになる。


「せん…せ…、ッ…」


─アタシ…


想えば想うほど滲む涙…

睫毛が濡れて、求めれば求めるほど荒い呼吸にたちまち嗚咽が混じり始める。

こんなの完全に悪循環だ。でも…

…苦しい。

…恋しい。

熱の籠る躰のなかで入り交じってぐちゃぐちゃになる感情に、今はもう胸も痛くて…


─助けて……先生──ッ…


「………」


…ふやけた視界がグニャリと歪んで、バランス感覚がなくなる。


でも、なぜか…


「ッ…──、どけ…っ!!」


躰を包んだ衝撃は冷たい壁でも、固い床でもなくて、

暖かくて大好きな匂いがする場所だった。








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