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if…─もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
第1章 もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
「うわぁぁぁぁ…!!」
「…ゴメンっ、通るっ!!」
よくわからないまま悲鳴をあげるアタシと、その手を引いて走る先輩の少し大きな声が昼休みの廊下にこだまする。
「わっ、あぶなっ…」
「大丈夫、余裕余裕っ♪走れ走れっ」
すれ違う人込みを上手くすり抜けて、風を切る猛ダッシュ。これはなんのアトラクション?
チラリと伺う少し前を行くその表情は、どんな追手と闘っているのかは不明だけど、なぜかとても楽しそうにも見える。
渡り廊下をあっという間に突破して、突入した北校舎の教室棟の隅から隅までを走り抜け階段を駆け下りる。
アタシたちが通過した教室の前からは次々と野次馬が顔を出してちょっとした騒ぎになっているようだけど、そんなことをいちいち気にしている場合ではない。
なにせ…
「はっ、も…」
いくら運動神経が悪くない方だとはいえ、成長期の年頃男子のスピードと体力にはついていくにも限界があって…
「わぁぁぁあああああッ…!!」
3F建ての校舎のてっぺんからようやく1Fに辿り着くという間際、縺れて躓いた足に…
お…!!
ち…!!
る…!!
無重力からの……
「…ッ───!!!!!!」
─ボフッ!!
「よしっ♪ナイスキャッチ、オレ♪」
…重力!!?って
「ッ…ぅぇえええっ!!」