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if…─もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
第1章 もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
「わ、ちょ…それ以上脱がないで…」
「なんで?オレもう、熱くてさぁ」
「目…っ、目のどどど…毒っ!!」
両手を目一杯伸ばしてブンブンと振り回すアタシに、早く見慣れてよ…と軽く笑った先輩が隣にやってきて腰を下ろす。
そして、明かされる謎の追手の正体に…
「チョコ…マフィン…」
納得しながらもアタシはどこか複雑な心境で頷いた。
先輩の言うことには、追手の正体は今日の4時間目、とあるクラスの調理実習で作られた大量のチョコレートマフィンらしい。
葵先輩は毎度のことながら校内でそれが行われるたび、決まって大量の女子に囲まれる。ただし甘いものが苦手な先輩にとって、時にはモノによって死活問題が生じる場合があるのだ、けれど…
でも本当に…!?
「…原因は本当にそれだけですか?」
先輩の甘いモノ嫌いは有名な話で、"甘さ控えめ"の5文字はうちの学校の女子にとっては生徒手帳に書かれている校則を上回るほどの鉄の掟。だからあまりにも理由が今更過ぎてなんだかどこか腑に落ちない。
すると…
「…なんて実はね。ホントはそれには続きがあって…」
あぁ、やっぱり…
「もう誰からもそういうのはいらないって。受け取らないって言ったら、実はちょっとした騒ぎになっちゃって…」
「へ…」
その表情を読んでなのか、あっさり真実を暴露した先輩が少しハニカミながら、目を丸くしたアタシの頬をつつく。