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if…─もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
第1章 もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…





しかし…


「…なんて、ウソだけどね♪」

「ええっ!!」


…ゴホンゴホンっ!!


あぁっ、いけないいけない。

ついつい出てしまった大きな声にどこからともなく鋭い咳払いが聞こえて、慌てて口をつぐむ。


「あはっ♪気を付けて!?今日は司書センセー、なんだか機嫌が悪いから…」


そんなアタシの目の前には、唇に人差し指を立てながら小声で笑う聖くん。


「ぇ…、あの、どこからどこまで…」

「うん!?オレがハーフだってくだり全部」

「ちょっ…!!」

「…まぁ、多少仏語が読めるのは本当だけど♪」


そんな彼に…


「──ッ…」


"…カラカワレタ"

一瞬、そんな言葉が頭に浮かんだ。

いつもならそんな悪戯心に溢れる彼の冗談を、アタシは笑って受け止めていたはずだと思う。だけど、この時のアタシはなぜかそうすることができなくて…。

年下なのに妙に落ち着いていて、フランス語もわかって頭も良ければ、見た目もすごくいい。

そんなすべてが揃って自分の上を行く彼に、どこかバカにされたという思いと感じる僅かな悔しさ…


「先輩をからかわないで…」


そして、耳に届いたどこか冷たく吐き捨てるような自分の声にハッとする。


─そう、アタシは彼に

嫉妬したんだと…。





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