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if…─もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
第1章 もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
…どどど、どうしよう。
こんなの初めてで…
"ある日の放課後、なんの前触れもなく知らない男子に屋上に呼び出されてイキなりコクられる"
…とか、確かに乙女が一度は憧れるロマンチックな一幕ではあるのだけど……
「ッ………」
いきなり己の身に降って沸いたまさかの出来事に頭が真っ白だ。真っ白すぎて、なんて答えていいかわからない。
「あの…」
「あぁ…って、見ず知らずのヤツに急に言われても困るよな」
すると言葉を詰まらせているアタシの様子を見てなのか、目の前の彼はそう頭をかいた。
クラスはどこか知らないけれど、学年は同じ。きっちり締められたネクタイがいかにも真面目そうな雰囲気を醸し出す、ぱっとみ優等生タイプの好青年。
緊張のせいか、握りしめられた彼の手のひらは微かに震えている。
そこからどうやらふざけているとか、なにかの罰ゲームでというノリではないことは見て取れる。
─だけど…
『…は?屋上?』
『うん、ちょっと呼ばれてて…』
なにがあっても…
『…勝手にしろよ!!』
なにがあっても…
「っ……」
──…