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if…─もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
第1章 もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
「は…っふ…んぅッ──」
唇を唇でこじ開けられながら、噛みつくようなキスが何度も吐息を奪う。
だけどそれはただただ強引に荒々しいだけじゃなくて…
「…あんなこと言われただけで動けなくなるくせに」
「っ……は、ぁ…」
─雅くん…
「こんな風に乱暴なことされたって……っ、手も足もだせないくせに…」
─雅くん…っ……
「他の男とふたりなんて、
頼むから…
心配させんなっ──」
─そのなかに感じる優しさの答えは、合間に吐かれた彼の言葉がすべてで…。
すべてを怒りに任せて彼が動いているというわけではないことを物語る。
「……雅くん」
それを証拠に彼の名を呼べば、揺らいだ瞳がアタシを捉えて、そこに覗いた普段の彼には到底あり得ないような"焦り"や"不安"の色がアタシの胸を締め付けた。
「ゴメンね…」
そして素直にそう告げると、そこへ安堵の色が加わるのがわかる。
「…心配かけて、ゴメンなさい」
それからアタシをまっすぐ見つめてくれているその瞳がさらに揺らいで、
「……さっきは、ちゃんと話せなくてゴメンなさい」
背伸びをしながら雅くんの首もとに手を伸ばすと、彼の胸元に顔がくっついたタイミングで、大好きな大きな手がアタシの背中をギュッと抱き寄せてくれた。
その腕は力強くて暖かく、何よりも優しい。