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第25章 学校閉鎖と墓参り

パチッ
誠は目を覚ます。

「パパッ」

と言う萌の声で、朝、早い時間に起きたが、どんな激しいセックスで夜遅くまで起きていても、定時には目を覚ます。

寝ていたい気分もある時はあるが、体が健康体の証拠…。

悠治の顔を見た時に、あの頃の事を誠は思い出し、重たい体を引きずっていたあの頃を考えると、こうやって生きていることのありがたみを感じた。

寝起きの悪い萌の顔を見つめ、萌の頰に手を添える。

（そんなに…不安がると思ってなかった…）

手を下に下に下ろしていき、萌の体をぎゅっと抱き締める。

（ワイシャツに指を指して、最後に手を指を指して頷く…）

夢の内容を反芻する。

夢占いの類などは信じてはいない。

けど、何かのメッセージ…そんな気がした。

（手に指を指して頷く…）

ふと、誠は自分の鞄を見た。

（……もしかして、アレを身につけていろ……そう言うことか？）


そう思っていたら、萌もパチッと目を覚ました。

「まこちゃん、おはよぉ…」

そうふにゃっと笑う萌は寝起きで声が少し枯れている。

「……珍しいな……お前が目覚まし前に起きるなんて……」

と、ぎゅっと萌を抱き寄せた。

「まこちゃんといると……安心しちゃうのか、寝ちゃえるの……」

そんな事を言う愛しい彼女に健気さを感じた。

「萌で遊ぶの楽しかったけど、そんな秘密があったんだ？」

そう言いながら、萌の頰を頬ずりする。

じょりじょりと、あまり生えて来ない髭が音を立てる。

「…なんか、それ…気持ち良い…」

そう言う萌。

「え？髭が？」

誠が言うと

「…うん」

と言う。