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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第5章 おふろの時間
金曜日、いつも泊まっている誠の家の浴室で

ゆうに呼び出されたり、友人たちの行動が気になっていた萌は

「ねーまこちゃん?」

と問い掛ける。

「んー?」

風呂に誠が大股になってその間に萌が入っていて、ぎゅっと、萌を抱きしめ、誠は萌の背中にずっと唇を寄せている。

「なんか、私に隠してる事、無い…?」

友人の過保護な行動に疑問に思っていた萌は、誠にそう切り出した。

「何がー?」
背中から口を外し、普通に返すが、この男は自分の萌絡みの思い以外は、常時ポーカーフェイスを通す。と言う事を、萌は知りつつあった。

(じゃないと、私に半年も痴漢なんかしないもんね…)

「火曜日の日にゆうちゃんから、今は何も理由聞かずに単独行動控えなさいって言われたの。その前の日にまこちゃん、昼間どっか行ってて、授業遅れたでしょ?」

「…そうだっけ?」

とぼける素ぶりの誠。

「なんかゆうちゃんと話してたの?」

「………。
んー?まぁ、色々だ。」

(やっぱりなんかまこちゃん知ってる。)

だから萌はわざと、誠の感情を掻き乱す事を言ってみる事にした。

「セフレと別れを切り出してたの?」

「はぁっ?だから、そんなんいねぇって!童貞は萌に奪われたの!」

「じゃあ、どこにいたの?」

嵌められたと分かったのか、誠は

はぁぁぁ〜…とため息を吐き

「ゆうちゃんと話をしてました。なんで?」

と、萌に聞いてきた。

「だって、なんか、まこちゃんのバイトの日、紘くんとか、波留くんとかなっちゃんが家まで送ってくれるし。今までそんなことなかったし。しかも、ゆうちゃんから、単独行動控えなさいって言われたし。
なんか私の知らない所で何か起こってない?」

「………。」

無言の誠。

「やっぱりそうなの?」

萌は聞く。
何故か不穏で仕方がないのだ。
誠は
はぁぁぁ〜…と、ため息を吐き
「予防だ。予防。」
と、言った。
「……予防?」
萌は疑問に持つ。
「ゆうちゃんに言われたの。萌、入学の後から告白される事が多いから、なんか心配だからって。」
「…心配?」
「お前、この半年、何人に告られてる?ザッと5人くらいいなかったか?」
そんな事をいちいち覚えてはいないが、確かにその位いたかもしれない。
萌は
「そうかも…。」
と言った。
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