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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第8章 イタズラ
図書館で、バイトの誠と別れた萌は、美咲と隆が二人で萌を誠の家に送る事になっていた。

「すみません。昨日まこちゃんから聞きました。
なんか…送ってくれる事になったみたいで…」

萌は美咲と隆にそう言う。

「全然、気にしなくて良いわよ」

と、美咲は言う。

「俺たちは何事もないことだけを祈ってやってるだけ…それだけだからな…」

その言葉を受け、萌はいつか返さなきゃ…と、思う。

(うーん…どうしよう…)

と、萌は思い

(まぁ良いや…まこちゃんに相談しよ)

そう思ったのが、のちのち美咲と隆を大きく揺るがす事になるとは萌自身も思ってもいなかった。



バイトが終わり、10時過ぎに帰って来た誠は

「ただいま」

と、リビングに入る。

灯はついているが、何も返事が返って来ない。

(…?)

萌はどこだろうと、探すまでもなく、萌は見付かった。

リビングのソファで、横になり、自分のパーカータイプのルームウェアの上に下がショーパンを履き、着圧ソックスを履いていて

「すー…」

と寝ている萌の姿。

ソファの向かいにあるテーブルには、誠お手製のノートと、誠が買った問題集、勉強するノートとシャーペン、蛍光ペンなどが散らばっている。

(どれどれ…)

パラパラ…とお手製のノートや萌の勉強ノートを見てみる。

(おお、めっさ書き込んでるやん…そう言えば先生にもちゃんと質問してたんだっけなぁ)

えらいえらいと、寝ている萌の頭を撫でる。

しかし

(俺と言う狼さんにいっつも襲われて喰われてるのに、この子はなんて学習能力がない……)

と、がっくし項垂れる。


(こうなったら襲っちゃうぞ…っと)

太ももまで覆っている着圧ソックスのはみ出している肉を人差し指でむにむにしてみる。

(うわっ、やわらけー…)

むにむにしているのに気が付かないで、寝息を立てている萌に、少し悪戯心が生まれた。
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