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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第9章 偽彼作戦
一件が解決し、一同ホッとした顔で白燐堂に戻った四人は店長に謝り、萌と誠がいた席に戻っていた。
店長は
「いいよいいよ、聞いていて腹が立っていたからね。こちらも。お客様だけど、イチ人間として、あなたら良くやったと思うよ。大丈夫。こう言うの良く見るから」
と、ソファを水で汚してしまったため、弁償を…と、言った隆に笑いながら言った。
「いやぁ…隆先輩があんなにやるとは思いませんでしたよ…」
誠の言葉に
「そうか?いつも見せてないだけだよ」
ズルズルと哲治を引っ張って行き、路地裏まで連れて行った時、隆は誠に
「こいつ、一発殴って良いか?」
と、聞いて来た。
(二発殴ったけど、恐らく俺はボコボコにするのを防ぐ自制のためだった気がする…美咲さんってのも大きかった気がするけど…隆先輩をぜっったいに怒らせないようにしよう…)
と心に決めていた。
尚、今日、誠が頭が下がらない順位は1位が萌、二位が姉である優衣子、三位に隆がランクインした。
ちなみにゆう先生は殿堂入り扱いとなっている。
誠は萌が食べている途中だったパフェを美味しそうに食べている萌に負け、パクパク食べていた。
(胸焼けがするって思ってたけど、これ美味いな…)
さすが有名店のパフェ…そんな事を思う。
萌は隣の席で
「まこちゃん!苺食べないで!」
と、牽制している。
美咲は目が赤い中、スマホをいじっていた。
隆が
「何かあったか?まさかあいつから連絡が…?」
と、慎重な表情で言う。
美咲は
「ううん。あいつの連絡先とか、写メとか、全部消してるの」
と、本来の美咲に戻ったかのように言う。
「…そっか…」
隆は美咲の頭を撫でる。
誠は
(だよな…三年の付き合い…どっか行ったとかの写真とかメールとかは残ってるよな)
そう思いながら、萌をじっと見た。
萌は誠の視線に気付いたように
「なに?」
と聞く。
(萌との別れなんか想像もしたくねぇ!!)
誠はそう思い
「なぁんでもないっ!それよりパフェうめぇなぁ〜!!」
と、パフェをパクパク食べ始めた。
萌は
「まこちゃん!そんなに食べないで!」
と言う姿を隆らは微笑ましく見ていた。