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連攣鎖(つれづれぐさ)*
第48章 青い鳥、その2
「んで、まだぁ?」
彼が屈んで覗き込んでくる。
んなことしたら、余計緊張して靴履けなくなるじゃん。
「靴が履けなくて…」
「んじゃ、もういいじゃん。」
もういいじゃん…て、どゆこと?
に、ぐわんと体が二つに折られて視界が変わり、手に履けない靴を持っている私。
姫抱きでなく、彼の肩に二つ折りで担がれ、同期に靴を振って別れの挨拶とした。
「あのねぇ…下ろして…」
お姉様方のキャァキャァは濁音混じりになっていく。
「じゃあまた。次は結婚式辺りで…」
彼が友達と勝手に別れの挨拶を済ませて進んでいく。
「ねぇ…下ろして…」
敷地内をこれで進むのは辛い。皆が指さして、「あれ何〜」と騒いでるし、折られたお腹も少し痛い。
「だめ、俺の計画を滅茶苦茶にしたから。」
怒ってるように言いながら、彼は笑ってる。
「毎週、何時間も車転がす俺の身にもなってよ〜」
「ごめんね…ゆくゆく職場が近い方がいいと思って…」
「そんなのは結婚しちゃえばいいことで…」