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あんなこんなエロ短編集
第17章 よごと
ーーーーー「~~~~~よね?理香」




「んっ?」





「あーまた聞いてない。




理香たまにトリップするよねぇ。




まぁラブラブな時期だし、分かるけどさぁ」





愛美がむくれる。




私は「ごめんごめん、




ばたばた忙しくてボーッとしちゃった」と




頭を掻いた。





「でも良いなぁ~。寿退社でしょ?




理想的だよねー、私も早く結婚したぁーい」





「彼とはどうなの?」






「えー?まだ自分の時間も楽しみたいなぁって





感じでさぁ」





愛美の彼氏への愚痴が始まる。





私は耳を傾けながら、





爪を撫でた。





ーーーーーまた切らなければならない。




結婚式にはネイルアートをするのだから、




あまり自分で切らないほうが良いのだろうけど。





でも、切らなきゃ。





父親の死に目に逢えなくなるように。






私は夜毎、爪を切る。





過去をころすように。





父親と逢わなくて済みますように。





あの男が息を引き取る瞬間など見たくもない。





それよりずっと以前、私は女にされ自分をころ




されていたのだから……………




願いを込めて、




今日の夜も切るのだろう。




これから先もずっと………




【夜中に爪を切るとねぇ、




親の死に目に逢えないんだよ】




幼い頃に隣に住んでいたお婆さんがよく




言っていた。




そのお婆さんにすら、




父が私にする悪戯という名の処刑は




わからなかったのだろう。




あの迷信めいた言い伝えが、





どうかホンモノでありますように。





愛美が愚痴を止めサンドイッチをかじり、




「おいしー」と笑う。





健やかな笑顔を、私は酷く遠い場所から




眺めてる気がする。









































〈終わり〉






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