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第21章 裏のかお

「じょ、女王様って………楽しいものなの？」




強烈な歩美のぶっちゃけにまだ驚きながら、




内容を訊いてみる。





「楽しいよ？




普段威圧的に振る舞っているだろう中年親父を、




いたぶってひれ伏せさせて………」




歩美の目がトロンと恍惚をほのめかす。




ーーーーー威圧的に振る舞っているだろう中年親父……………




冴子にもそういう親父が思い当たる。




小学校の教員といえど、学校の職員は立派な組織だ。




校長を筆頭に教頭・学年主任……





長年〈センセイ〉と呼ばれてきた男たちは、




傲慢な人間が多い。




同年代や若い教員にはないふてぶてしさがある。





「でもあんた………そんなにストレスあったんだ？」




歩美はしっかりしていて我が道を行くタイプ。





大企業に就職したにも関わらず、




旦那様と出会うなりあっさり結婚退職した。




今は子育てをしながら特技のマスコット作りをしネット販売している。




「ストレスはあるわよう、




細々したのから大きいのまで挙げたらキリがないわ。




ストレス解消っていうより、居所見つけた？みたいな



…………





新しい私発見！って感じ」





よく分からないが、





冴子はその〈女王様〉という仕事に関心を持った。




半ば冗談で「私もしよっかな～」と言ったら歩美が




場所とオーナーの連絡先を教えてくれた。